第3回目は、販売データを検証することによって簡単にチャンスロスを発見し、改善を実施する方法をご紹介したいと思います。
●チャンスロスの意味再確認
買いたい商品が売り切れで買うことができなかった・・・誰もが経験したことがある事でしょう。お店にとっては商品がありさえすれば売上に繋がったはずですが、結果として販売できませんでした。これが「チャンスロス」です。
この現象は売場のあちこちで起こっており、すなわち「チャンスロス」の撲滅は即売上UPに繋がります!
また、お客様は頻繁に、自分の買いたい商品がお店に無い場合、他のお店で用を済ませる傾向がありますので、お客様をしっかりと繋ぎとめるためにも、「チャンスロス」撲滅の取り組みが必要となります。
●データで読む「チャンスロス」
商品1品1品についてチャンスロスの有り無しを毎日調べるとなると、大変な労力がかかってしまいます。
ここでは、データを確認して簡単に「チャンスロス」を調べる方法をご紹介します。
@rms(アームズ)のMDツールでは、日別の販売データをカレンダー形式(図1)で確認することができます。
図1)MDツール 販売実績カレンダー
これはある店舗のパン部門のデータで、売上数量の多い順番で並んでいます。
日と曜日の欄はその日の販売数量を表しています。
「チャンスロス」が発生している部分は赤枠部分と黄色マーカー部分です。
※赤枠と黄色マーカーはわかりやすいように後から記したものです
赤枠部分 → 商品の販売が無い → 欠品していたのではないか!?
黄色部分 → 3,3,3と同じ販売数が続く → 3個売れた後は欠品していたのでは!?
いかがでしょう!?「チャンスロス」を簡単に見つけることができました!
●「チャンスロス」を無くすための具体策
データを確認することで「チャンスロス」の発生している商品を知ることができました。
ただ、ここで終わってしまっては何も意味がありません。
具体的な行動に移してゆきましょう。
以下はその具体例になります。
商品の特性、売場の状況、人員の体制などで適する方法は変わってきますので、参考にしながら自分の店にあった方法を見つけてください。
例:販売上位商品だけは絶対欠品しないよう毎日在庫と発注内容をチェックする
例:欠品が多い商品の棚札にシールを貼る
例:発注数量調整のため発注時にEOBの最終販売時間を参考にする
例:発注前に夕刻の天気予想を必ずチェックして発注数を調整する
例:特売残との兼ね合いをルール化する
例:複数担当者間で「チャンスロス」対象商品の情報をしっかり交換する
などなど
いかがでしたか!?
MDツールが無くても、同じような帳票が出せれば簡単にチャンスロスの多い商品を探すことができます。
是非取り組んで売上アップを目指してください!
【著者:株式会社エムアンドシー研究所 川久保 進一】
株式会社エムアンドシー研究所(http://www.mac-lab.co.jp/)
平成元年設立。流通業、中でも主にスーパーマーケットの業務支援を中心に活動しています。
@rmsではシステム全体構想時からサイバーリンクス社と協力体制を構築しており、特に分析系ツールにおいては小売支援現場で培った様々なノウハウを提供しています。